Published by
共同通信
共同通信
国際ロマンス詐欺の被害者が、被害金回収をうたう弁護士事務所の広告を見て着手金を支払うも、進展しないと訴えるトラブルが相次いでいる。各地の弁護士会は「被害回復は困難」として誇大広告への注意を呼びかけており、弁護士が逮捕されたケースもある。専門家は金銭を取り戻したい被害者につけ込んだ着手金目的の「二次被害」だと問題視する。
「返金実績あります」。2021年ごろ、国際ロマンス詐欺で約6500万円を失った関東地方の50代女性は「RMC法律事務所」(東京)のインターネット広告を目にした。わらにもすがる思いで連絡し、着手金210万円を支払った。
ただ、やりとりはほとんどLINE(ライン)で、進展もなく時間が過ぎた。問い合わせても「他の依頼者も時間を要している」などと返信があるのみだった。
事態が動いたのは23年。被害金回収業務のため無資格者の業者に弁護士名義を貸したとして、事務所の弁護士らが弁護士法違反容疑で大阪府警に逮捕された。業者らは着手金をだまし取ったとする詐欺容疑でも逮捕されていた。