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共同通信
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全国の畳店有志が参加し、災害時の避難所へ畳を無償で届けるプロジェクトが1月末までに、能登半島地震の被災地の避難所に1100枚を超える畳を送った。発起人で神戸市兵庫区の畳店「前田畳製作所」社長前田敏康さん(53)は「畳があると気持ちが落ち着く。1人でも畳を必要としている人がいるなら届けたい」と話す。
1月中旬、石川県七尾市の矢田郷地区コミュニティセンターに約100枚の畳が届いた。運営責任者の関軒明宏さんによると、避難者は段ボールベッドの上に畳を置き、その上に布団や毛布を敷いている。「クッション性が高く、保温もでき、本当に助かった」と感謝した。80代女性は「畳の生活に慣れているので、畳が来てほっとした」という。畳は吸音や抗菌の効果があり、子どもの遊び場や授乳室にも使え、プライバシーや衛生面の課題解決に有効だ。
元日の能登半島地震発生後、前田さんは1月上旬から現地の畳店とともに避難所を訪れ、畳が必要か聞いて回った。新潟や福井など9府県のプロジェクト参加店が畳を作り、自前のトラックで輸送した。