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共同通信
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納税よりも、まずは生活再建を優先して―。16日から始まる所得税の確定申告を前に、能登半島地震で大きな被害が出た北陸地方を管轄する金沢国税局が、異例の呼びかけをしている。国税庁は石川・富山の両県で、全ての税目の申告・納付期限を延長しているが、被災者から納税に関する問い合わせが相次いでいるためだ。担当者は「納税は慌てず、落ち着いてから考えてほしい」と話している。
石川県の能登半島北部を管轄する税務署のうち、輪島市の輪島税務署は、敷地で地割れが起きるなどして閉庁。七尾市の七尾税務署は業務を続けているが、いまだ断水が続く。被災者から「申告書類を家に取りに行けない」「津波で税務資料が流され、期限に間に合わない」などの相談が寄せられているという。同署の宮崎雅人署長は「インターネット環境が整わず、期限延長を知らない人もいる」と話す。
宮崎署長は「大変な時でも納税の心配をしてくださる被災者の方には頭が下がる思いだが、身の回りのことが落ち着いてから、申告や特例の活用を考えてほしい」と話した。