Published by
共同通信
共同通信
太平洋戦争末期の激戦地となった硫黄島の住民の強制疎開から80年となるのを前に、都内で17日、シンポジウムが開かれた。1968年に日本に返還された後も住民は帰還できず、11歳で疎開した千葉県松戸市の奥山登喜子さん(90)が「帰れるなら帰りたい。硫黄島という島があったことを忘れないで」と訴えた。
島では44年7月、軍属として残された男性らを除き、多くの島民が疎開させられた。翌年2月に米軍が上陸。今も多くの戦没者遺骨が残るが、一般人の立ち入りは制限されている。
島をテーマにした著書「水平線」がある、島民3世の小説家滝口悠生さんは「疎開後の生活も含め、歴史の一部。聞き手となりたい」と話した。