被災地の工芸品に願い込め

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共同通信
64歳の誕生日を迎えられた天皇陛下と皇后さま。手前は輪島塗の懐紙箱、右奥は輪島塗の盆、左奥は珠洲焼のつぼ=9日、皇居・御所(宮内庁提供)

 宮内庁は天皇陛下の誕生日に際し、天皇、皇后両陛下が石川県の伝統工芸品である輪島塗や珠洲焼を見ながら歓談される様子の写真や映像を公開した。側近によると、両陛下は、能登半島地震で伝統的な文化や産業に携わる人々が困難な状況にあることを心配し「生活が早く元に戻ることを心から願われる気持ちを示された」としている。

 両陛下は撮影に当たり、人間国宝で漆芸家の前史雄さんが手がけた輪島塗の盆や、歌会始の儀で使われる輪島塗の懐紙箱を選んだ。珠洲焼のつぼは田端和樹夫さんの作。

 宮内庁によると、陛下は高校時代の1975年に輪島市などを旅行して以降、石川県を計13回訪れている。昨年は国民文化祭に合わせ、両陛下で足を運んだ。