国内航空産業に新ビジネス

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共同通信
航空機整備専門会社「MRO Japan」の格納庫=1月、那覇空港

 国内唯一の航空機整備専門会社「MRO Japan」(MJP、那覇市)が、航空会社がリース機を返却する際の整備事業に乗り出すことが25日、航空関係者への取材で分かった。これまでは海外整備会社に委ねられ、国内で専門に扱う初事例となる。第1弾として、スターフライヤーと受注契約を交わした。2024年度に着手する。

 リース機は財務面でメリットがあり、多くの航空会社が活用しているが、返却時の整備が大きな課題で、多項目にわたる点検や修理と、膨大な記録書類が求められる。国際基準を満たすことが必要なケースが多いため、全日空や日航でも自社でできるのは一部で、中小やLCCは全面的に海外に頼ってきた。

 関係者やMJPによると、一般的にリース会社は金融法人で、航空機は投資対象となり、資産として扱われる。リース期間中の運航は日本の航空法に基づく整備で管理されるが、返却時にはマンション退去時の原状回復のように、所有者や次に貸し出す国の基準にも合致した状態に戻す必要がある。基準を満たすまで、高額の延滞料が発生するリスクもある。

北九州空港に着陸するスターフライヤーの機体