越境者78人、家具店地下室で生活 「市が助けないから」とオーナー 

 

越境者78人、家具店地下室で生活

「市が助けないから」とオーナー 


「冬なのに路上で寝ているのを見過ごせなかった」と語る家具店オーナーのエブ・サー氏。背後のドアには移民の退去命令が貼られている Photo Keiko Tsuyama

ニューヨーク市消防局(FDNY)は26日、クイーンズ・リッチモンドヒルズにある家具店の地下室に越境者78人が生活しているのを発見した。市は即日、立ち退きを命じた。 

この家具店のオーナー、エブ・サー氏によると、セネガルを中心とするアフリカからの越境者を支援する目的で78を住まわせており、食費や管理費として月300ドルを支払っている者もいるという。サー氏はベッドが並んだ地下室のスマホ映像で見せ、「市が助けないから、私が助けただけだ」と涙ながらに訴えた。 

市建設局(DOB)は26日夜、検査官を派遣。地下室で簡易ベッド14台とベッド13台を発見し、違法として立ち退き命令を出した。アダムズ市長は「DOBFDNYも責任がある」と釈明している。越境者の多くは市の保護施設に移ったが、「地下鉄で寝た」との声も聞かれた。サー氏は5万ドルまでの罰金を課せられる可能性がある。 

市は越境者をまず30日間シェルターに収容。その間に生活拠点を確保することが前提だ。できない場合は市の保護施設の使用が可能だが、マットレスさえないという劣悪な状況。路上生活を選ぶ者も出てくる。サー氏がかくまっているのはそうした越境者だ。活動家は「今回の事例は氷山の一角。追い出された者はより大きな危険にさらされる」と警告している。27日、CBSニューヨーク

 

宿泊場所を求めて訪れる亡命希望者に対し、ブロンクスの施設に行くように求めるNY市の張り紙が店の裏側にあった Photo Keiko Tsuyama

 

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