四国電伊方原発差し止め訴え退け

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共同通信
大分地裁が四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを認めず「不当判決」を訴える弁護士ら=7日午後、大分市

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)は安全性が不十分だとして、対岸の大分県の住民が運転差し止めを求めた訴訟の判決で、大分地裁(武智舞子裁判長)は7日、訴えを退けた。主な争点は地震や火山への対策だった。

 伊方3号機差し止めを求め、東京電力福島第1原発事故後に起こされた同種訴訟は広島、松山両地裁と山口地裁岩国支部でも係争中。2016年に提訴された大分地裁が初めての判決となった。

 原告側は、地震対策に関し、敷地から1~2キロほどに活断層があるかどうかの調査が十分でないとして、地下構造を立体的に詳しく調べる「3次元探査」の必要性を主張。火山については、阿蘇山(熊本県)の巨大噴火が起きた場合、火砕流が伊方3号機に達する恐れが低いとは言えないと訴えてきた。

 四国電側は、海上音波探査の結果を基に敷地近くに活断層はないとし、3次元探査も不要だと指摘。阿蘇山の巨大噴火は、活動履歴などから伊方3号機の運用期間中のリスクは小さい上、現地調査などを踏まえ、発生しても火砕流到達の恐れは低いと反論してきた。

四国電力伊方原発3号機=2023年12月、愛媛県伊方町