アジア系住民の半数以上、ヘイトを体験
報告するのが「恥ずかしい」も2割
アジア系米国人財団(TAAA)は7日、アジア系住民の54%が2023年「侮辱、ハラスメント、脅迫、暴行」など憎悪(ヘイト)に基づく行為を体験したという調査結果を発表した。
調査はアジア系ニューヨーカー1000人を対象に、英語のほか中国語や韓国語など多言語で実施した。62%が他のアジア系市民がそうした行為を受けているのを目撃したと回答。5人に1人が何らかの暴行を受け、31%が目撃したという。
さらに、20%はヘイト行為を報告するのが「恥ずかしい、引け目を感じる」、42%が「注目されたくない」と答え、ニューヨーク市警(NYPD)の犯罪集計と現実の間にギャップが生じていることも浮き彫りになった。TAAAの地域代表、ユージナ・オー氏は「文化の違いに加えて言葉の問題が重なる」と指摘。回答者の6割強が「警察との関係改善」「メンタルヘルス対策」を求めていることも判明した。
23年10月に発表された米公民権委員会の報告もアジア系住民を標的としたヘイトクライムの「過小報告」を取り上げ、警察への信頼欠如が原因と結論づけている。公民権関連の弁護士で活動家のリズ・オウヤン氏は警察のパトロール強化だけでは足りないと主張。「様々なグループに対する理解を深め、コミュニティーとの関係強化に努めるべきだ」と訴えている。NYPDはコメントの求めに応じていない。(7日、ゴッサミスト)