オスプレイ再開「納得できない」

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共同通信
CV22オスプレイの引き揚げ作業にあたる米軍のサルベージ船。奥は屋久島空港=2023年12月、鹿児島県・屋久島沖

 米軍がオスプレイの飛行再開を決定したことに対し、昨年11月、8人が死亡したCV22オスプレイ墜落事故が沖合であった屋久島の住民からは9日「原因を伝えてくれないと納得できない」と不満の声が上がった。「米側の報告を聞くだけの立場になっていないか」と、主体的に事故調査に取り組む姿勢がうかがえない日本政府の対応への疑問も広がった。

 オスプレイが墜落する瞬間を目撃した屋久島の漁師中島正道さん(68)は「あんな危ないものをまた飛ばすのか。結局、具体的な原因は私たちには分からず、腹立たしい」と憤った。

 木原稔防衛相は9日、米側から「これまでにないレベルで詳細に報告を受けた」と強調し理解を求めたが、中島さんは「日本が主導して調査をしたのか。国民を守る立場で毅然と対応してほしい」と指摘した。

 馬毛島では、米空母艦載機の陸上離着陸訓練を行う基地の整備が進んでいる。漁師の渡辺和紀さん(75)は「オスプレイも来るかもしれない。米軍には必要なのだろうが、また落ちる可能性もあるのではないか」と不安を口にした。

鹿児島県・屋久島沖で捜索活動を続ける漁船。周囲には、米空軍CV22オスプレイの残骸とみられるものが漂流していた=2023年11月