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共同通信
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【サンパウロ共同】カリブ海の島国ハイチの治安が急激に悪化している。武装したギャングが首都の8割を支配する無法状態となり、殺人や性犯罪、略奪などが横行。市民ら約31万人が国内避難を強いられた。アンリ首相は11日、追い込まれる形で辞意を表明したが、治安回復につながるかどうかは不透明だ。
事態が大きく動いたのは2月末~3月上旬だ。ハイチ政府は国連に多国籍部隊の派遣を要請しており、アンリ氏は部隊を主導するケニアを訪れルト大統領と会談、警察官約千人の派遣について協議した。
一方、国内では首相の不在を狙い、ギャングが首都ポルトープランス周辺の刑務所や空港、港、警察署を次々に襲撃した。2日には襲撃を受けた刑務所から受刑者4千人以上が脱走。米国やドイツの大使館員らが10日までにハイチから退避するなど情勢は深刻化している。
国連によると、ギャングの暴力により今年1月以降だけで1100人以上が死亡、約700人が負傷した。ターク人権高等弁務官は「医療システムも崩壊寸前の状態だ」と各国に迅速な対応を促した。