「台湾で最初の都市」台南、今年で建城4百年

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共同通信
「台南400」の記者会見に出席した台南市の黄偉哲市長(右から2人目)=2023年12月、台南市(共同)

 台湾南部の台南市は、1624年にオランダ人がアジア交易の拠点を設置してから今年で400年になるのを記念し、歴史や文化を紹介する、さまざまな行事を企画している。「台南400」と題した年間を通じた取り組みで内外から観光客を呼び込み、台湾の古都の魅力をアピールしたい考えだ。(共同通信=渡辺靖仁)

 台湾は、オランダ人が台南にゼーランディア城を築き、組織的な統治を始めたことで世界とつながりを持つようになった。その後も台南は清朝に抵抗した明朝の遺臣、鄭成功の根拠地となり、清朝の統治下に入ってからも政治の中心だった。寺院や廟、旧跡が数多く残り、日本統治時代に建設された西洋式建造物も多い。

 台南市の黄偉哲市長は昨年末の記者会見で台南400を紹介。台南は「台湾で最初の都市」で文化的基礎があり世界との交流の歴史があると説明し、台南400を台湾の歴史を礎にした国際的なイベントにしたいと表明した。

 ランタンや光のショーを披露する台湾恒例の「ランタンフェスティバル」も今年は2~3月に台南で16年ぶりに開催。台南400の目玉行事と位置付けられ、記念の年が本格的に幕開けした。

 年末にかけ「農業」「生活」「食」など八つのテーマに分けて行事を催す。9~12月は「観光美食博覧会」と称し、市内各所で食をテーマにしたイベントを計画。台南は地元の白身魚サバヒーを使った料理なども有名で「グルメの都」としても売り込もうとしている。

 一方、謝仕淵・台南市文化局長は、400年を振り返ることは「過去の植民の歴史」と向き合い、外来勢力による先住民への迫害を反省する機会になるとも表明。台南400では先住民の文化を紹介する展示会も予定しており、「多様な文化」が共生する都市づくりにつなげたいと訴えた。

ゼーランディア城の跡地として知られる安平古堡=台南市(同市文化局提供・共同)
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