裏金事件「キーマン」注目

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共同通信
国会内で記者会見し、政治資金収支報告書の不記載について説明する自民党の下村博文元政調会長=1月

 自民党裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会は18日開かれ、安倍派会長代理を務めた下村博文氏が出席する。資金還流を巡る幹部の証言が食い違う中、協議にも参加した「キーマン」(立憲民主党の長妻昭政調会長)と目される。森喜朗元首相との確執を抱え、常任幹事会メンバーから外された経緯があるだけに、発言に注目が集まる。

 下村氏は今月12日、政倫審の申し出書の提出時には「うそ偽りなく丁寧に説明する。逃げ隠れしない」と記者団に強調した。

 野党は、派閥の事務局長の独断で還流金の復活はできるわけがないとして「幹部がうそをついているか、ごまかしていると考えるのが自然だ」(日本維新の会の音喜多駿政調会長)と指摘する。

 下村氏は昨年8月、安倍派が常任幹事会による合議制に移行した際、メンバーに入れなかった。森氏の意向が反映されたとの見方がもっぱらだ。野党は、森氏の関与を追及するため国会招致を要求。自民は下村氏が自ら政倫審出席を強く希望したことから「安倍派への恨みに駆られ、内幕を暴露するのではないか」(若手)との警戒感が広がる。