南米移住の被爆者、求めた救済

Published by
共同通信
展示物の説明をする広島大原爆放射線医科学研究所の久保田明子助教=14日、広島市

 戦後、南米に移住した被爆者をテーマにした特別展が、広島大医学部医学資料館(広島市)で開かれている。長年、日本の援護制度の対象から外され、救済の道を開くため取り組んだ独自の調査記録など30点を展示。企画した広島大原爆放射線医科学研究所の久保田明子助教は「異国で困難を乗り越え、生きてきた被爆者を知ってほしい」と話す。5月17日まで。

 特別展では、協会が1988年に南米5カ国の被爆者を対象に実施した「在南米原爆被爆者調査」の原本も公開。被爆体験や健康状態を明らかにし、被爆者が抱える問題を掘り起こす目的だった。139人分の回答の一部を閲覧できる。