全米の中絶、3分の2が薬使用
22年の最高裁判決でさらに増加
全米における2023年の中絶を巡り、人工妊娠中絶薬を用いた中絶が約64万件に上り、全体の約3分の2を占めることが、中絶の権利を支持する研究団体「ガットマッハー研究所」の報告書で分かった。20年(53%)と比べて、さらに増えた背景として、米最高裁が22年6月、女性の中絶権を認めた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断をしたことが挙げられる。
報告書によれば、知事が共和党に所属する州など12以上の州で、中絶手術がほぼ全面的に禁止されている。それにもかかわらず、全米で実施された中絶手術の件数と割合が上昇したことが明らかになった。合法な州では、病院のスタッフを増員したほか、施術時間を延長するなどの動きが見られた。中絶を支持する団体は、禁止されている州から合法の州に出向く女性向けに、資金援助額を増やした。
研究団体によれば、カンザス、ニューメキシコ両州では患者の半数以上、、イリノイ、ノースカロライナ両州でも3分の1以上が、他州から訪れる女性が占めている。同団体の関係者は「もし人々が医療を必要としているのであれば、必要な医療を受ける方法を見つけるだろう」と強調。23年の中絶件数は約100万件に上り、11年以降で最多になるという。(19日、ウォール・ストリート・ジャーナル)
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