生活保護停止処分取り消し

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共同通信
津地裁判決を受け、「勝訴」と書かれた紙を掲げる原告側の弁護士=21日午後、津市

 車の運転記録を提出しなかったことを理由に三重県鈴鹿市が生活保護の支給を停止したのは違法だとして、身体障害のある女性(81)と難病を患う次男(56)が、市に停止処分の取り消しと損害賠償を求めた訴訟の判決で、津地裁は21日、処分を取り消し、計20万円の支払いを命じた。

 竹内浩史裁判長は判決理由で、運転記録は距離や経路などの正確な記載を求めており「過剰との疑いがある」と指摘。買い物などに車を利用するのは「自立した生活に資する」とした。

 さらに支給停止は医療費などの支出を困難にし、生命の危険も生じ得る「多大な不利益を与えるもので違法だ」と判断した。

 判決によると、女性は2019年から生活保護を受給。市は次男の通院目的に限って車の利用と保有を認め、運転記録の提出を求めた。女性は提出に応じず、市は22年9月に支給を停止した。

 判決後、女性は記者会見し「裁判で認められたことはすごくうれしい。早く息子に伝えてやりたい」と話した。