トランス女子の女子スポーツ参加
NYで議論高まる
ニューヨーク市内で、トランスジェンダー女子学生による女子スポーツ参加の是非を巡る議論が高まりつつある。
市教育局(DOE)によれば、市内の公立校では「性自認に基づいて」スポーツ参加が認められている。これに対し、アッパーイーストサイドのコミュニティ教育委員会が20日、このガイドラインの変更検討をアダムズ市長らに要請する決議を8対3で採択した。「トランスの子供などは存在しない」とメッセージを送り、物議を醸した保護者リーダー、モード・マロン氏が急先鋒。「もともと女子の学生の学業や心の健康状態に与える影響に対する考察が欠けている」としている。
DOEのバンクス局長はこの決議を「卑劣」と批判。「トランス女子のメンタルヘルスを無視しており、我々の価値観と相容れない」と話している。反対票を投じた委員の1人も「現行のガイドラインにより、競技で負けたとか、メダルや奨学金を逃したという例は聞いたことがない」と指摘している。
米国内ではトランスジェンダーの人々の性自認に基づくスポーツ参加を禁止する州が増えている。現在20州以上でそうした州法が成立している。民主党の牙城、ニューヨーク州でも数週間前、ナッソー郡のブレークマン執行官(共和党)がトランス女子の郡施設での女子スポーツ参加禁止令に署名。公民権活動家や州司法長官が法的措置を検討している。(20日、ポリティコ)