政治腐敗は極致、経済は衰退の一方  なのに、国家ブランドは世界一という不思議!(中)

株価は史上最高値でもGDPはマイナス

 先週、とうとう株価(日経平均)が史上最高値を付けたため、好景気というようなムードになっている。しかし、株価は実体経済とは関係ない。まだ上がると思って買う人間、投資筋が多いだけだ。
 PERがバブル期とは違って17、8倍だからまともな株価だと言っている人間がいるが、タワゴトとしか思えない。
 実体経済を見れば、実質GDPは2023年7-9月期は前期比0.2%減、10-12月期も0.1%減と2期連続でマイナス。このままでは、当期(2024年1−3月)もマイナスになるのは確実だ。
 この状況に追い打ちをかけたのが、「日独GDP逆転」だ。2023年の名目GDPがドル換算で4兆2106億ドルと確定し、ドイツに抜かれて世界4位に転落したことが先日報道された。

日本の生産性の低さは国会を見れば納得

 人口が約8000万人と、日本の4分3以下のドイツに、GDPで抜かれる。それがなにを意味するかは、言うまでもないだろう。
 ところが、政界も経済界も危機感がない。メデイアはおしなべて「円安による影響が大きい」と報道し、専門家は「一喜一憂するようなことではない」と言う始末である。
 日本の生産性の低さはずっと問題にされてきたが、今日まで一向に改善されない。なぜ改善されないのかは、政治を見ているとよくわかる。国会で、この国の与野党はなにをやっているのか?
 彼らはスキャンダル政争に明け暮れているだけで、政治などしていない。ローメーカー(議員)が政策議論をしなければ、政治は動かない。そのため、ほぼすべてが閣議で決まるというおぞましさだ。
 これは、政界に限らず、ほかの組織でも同じだろう。

国家ブランド指数で60カ国中1位を獲得

 こんな状態なのに、昨年11月に発表された「国家ブランド指数」(正式名称は「アンホルト-イプソス国家ブランド指数」:NBI)で、日本が世界一になったのだから、首を傾げてしまう。
 この調査を行っているのは市場調査会社イプソス(Ipsos)で、すでに15年間にわたり調査が行われている。
 その2023年度の調査結果によると、日本はドイツを抜き、国家ブランド指数で60カ国中1位となり、アジア太平洋地域から初めて首位を獲得した。
 なぜか、ここ数年、日本の順位は上がり続け、2019年に5位、2020年に4位、2021年に3位、2022年に2位ときて、2023年についに1位となったのである。
 以下がトップ10国だ。
第1位 日本
第2位 ドイツ
第3位 カナダ
第4位 英国
第5位 イタリア
第6位 米国
第7位 スイス
第8位 フランス
第9位 オーストラリア
第10位 スウェーデン

この続きは3月22日(金)発行の本紙(メルマガ・アプリ・ウェブサイト)に掲載します。 

※本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。

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