弁護側鑑定「違和感ある」

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共同通信
袴田巌さんの再審第10回公判が開かれた静岡地裁の法廷=25日午前

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)でみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第10回公判が25日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。最大の争点となっている「5点の衣類」の血痕の「赤み」を巡り、検察側が請求した証人尋問があり、法医学者は弁護側鑑定について、実験の条件が不十分だとして「違和感がある」と指摘した。

 検察側証人として出廷した九州大の池田典昭名誉教授(法医学)は、1年以上みそ漬けされた場合に赤みが残らないとする弁護側の意見には同意しつつ、衣類が麻袋に入れられていた点などを考慮する必要があると言及した。