Published by
共同通信
共同通信
2025年大阪・関西万博の象徴となる木造の巨大環状屋根「リング」の設計者で会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏(52)が、4月の開幕1年前を控えてインタビューに応じた。リングや会場計画に対する「相当な批判」を覚悟し、記者会見を含む丁寧な説明に意欲を表明。丸い屋根の内側に各国パビリオンが位置する会場構成で「多様性がつながり、世界がつくられる感覚」を表現すると語った。
1周約2キロのリングは350億円の整備費をかける一方、万博終了後は現地から撤去する方針が当初示され「世界一高い日傘」と批判を浴びた。藤本氏は「大通り」や「中心」を設けない動線で、雨と日差しを防ぎつつ来場者を分散させる機能を持たせていると強調。「屋根に上れば海や大阪の夜景も見られる」とアピールした。
完成すると工事用車両の通路が減り、資材や重機を内側に搬入する際に制約が生じるとの懸念も出ている。藤本氏は十分な通路を確保しているとした上で「一般の方が『大丈夫か』となる気持ちは分かる。丁寧に説明する」と理解を求めた。