Published by
共同通信
共同通信
派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、自民党が既に、安倍派(清和政策研究会)会長経験者の森喜朗元首相側から水面下で話を聞き取っていたことが分かった。資金還流が始まった経緯や2022年に復活した状況について尋ね、関与なしと認定したもようだ。追加聴取は現時点で想定していない。政権幹部が29日明らかにした。野党が反発し、国会での説明を要求するのは必至だ。
自民党の聞き取り調査や国会の政治倫理審査会の証言を通じ、清和会の資金還流は1990年代後半ごろに始まった疑いが持たれている。森氏は98年~06年、首相在任中の約1年間を除いて会長を務めた。22年の還流復活の際は安倍晋三元首相の死去後で、派内に影響力を持っていた。
自民筋によると、党関係者が森氏側から聞き取った。開始や復活の経緯を把握していないと説明したという。安倍派幹部の追加聴取と並行して実施した可能性がある。岸田文雄首相ら党執行部は、高齢の森氏にこれ以上話を聞く必要はないとの判断に傾いた。