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共同通信
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岸田文雄首相は、来週に予定する米ノースカロライナ州訪問の際に、米国トップクラスの大学院に留学する日本の理系学生への支援制度拡充を表明する方針を固めた。6月に策定する「骨太方針」で奨学金の特別枠新設を盛り込む。デジタルや脱炭素といった成長分野をけん引する人材を育成し、日本の科学技術力向上につなげる狙いがある。政府関係者が1日、明らかにした。
首相は今月8~14日の日程で米国を訪問。バイデン大統領らとの会談を行うワシントンに加え、ノースカロライナ州も訪れる。12日に同州の研究学園都市を視察し、州立大内に設置された名古屋大の海外キャンパスで日本人留学生と意見交換する予定。この際に物価高や学費高騰を踏まえて支援策を拡充する考えを打ち出す見通しだ。
新たな支援制度は、留学生を支援する文部科学省の奨学金事業「トビタテ!留学JAPAN」に特別枠を創設。これまで原資としていた民間からの寄付に加え、政府が予算を上乗せして派遣学生数と奨学金の金額を引き上げる。米国大学院の博士課程で学ぶ理系学生を主な対象者に想定する。