GW橋、ベラザノ橋、
ゴールデンゲート橋に懸念
ボルチモア港での橋崩落で分析
メリーランド州ボルチモア港で貨物船が衝突した橋が崩落したことから、全米の主要な橋の安全性に関心が高まっている。今回の事故を分析したところ、ニューヨークのジョージ・ワシントン橋やベラザノ・ナローズ橋、カリフォルニア州のゴールデンゲート橋など数基に懸念があることが判明した。
崩落したのは1977年に開通したフランシス・スコット・キー橋。全長約8600フィートで、三角構造がつなぐトラス橋を複数の橋脚が支えている。26日、この1本に貨物船が衝突、橋の大部分が崩れ落ちた。部分の破壊が橋全体に影響する「フラクチャークリティカルメンバー(FCM)」構造だった。
80年フロリダ州タンパで、貨物船が衝突したサンシャイン・スカイウェイ橋が崩壊。これを受けて連邦政府は91年、「ドルフィン」と呼ばれるフェンダーで橋脚を保護することを義務付けた。したがって、それ以前に完成した橋は橋脚に保護がない。
このため、懸念の高いキー橋規模の橋は、東海岸ではベラザノ橋、バージニア州のチェサピークベイ橋。西海岸ではカリフォルニア州のゴールデンゲート・ブリッジ、オレゴン州とワシントン州をつなぐルイス・アンド・クラーク橋、ワシントン州のタコマ・ナローズ橋だ。
2016年にパナマ運河の幅が拡大し、クルーザーを含む船舶が大型化。その分衝突による危険は高まっており、ブティジェッジ運輸長官は27日、「橋梁に関する規則、検査、設計を見直し、補助を検討する」と話している。(3月29日、ウォールストリート・ジャーナル)