慢性的な不登校、激増
「登校はオプショナル」が根付く
全米の2022〜23年学期の欠席率は26%となり、コロナ前の15%より慢性的な不登校が激増している。3月29日、ニューヨーク・タイムズが報じた。
富裕地域の欠席率は10%から19%に、貧困地域では19%から32%にと急上昇した。コロナ禍の2020年春、学校は閉鎖された。リモート学習を体験し、コロナ後も「登校はオプショナル」という習慣が根付いてしまった。アラスカ州アンカレッジの高校では、休暇の混雑を避け、子供に学校を休ませでバケーションを楽しんだ家族がいる。妹や弟の面倒をみたり、アルバイトに精を出したりする生徒もいる。心の問題を抱えて、登校を拒否する生徒も増えている。
しかし、登校しなければ成績は改善しない。授業についていけないから欠席する、欠席するからますます遅れるという悪循環に陥る。授業のペースが乱れ、全ての生徒の学習の足を引っ張る。人間関係の構築もおろそかになり、暴力などの反社会的行動が増えると警告する専門家もいる。
学校は試行錯誤を続けている。オンライン授業を拡充し現実的な対応を行う学校も出てきた。教員が家庭を個別訪問したり、欠席日数を保護者に通知したりして、効果を上げているところもある。ミシガン州アナーバー郊外の学校区では寒くなって出席率が落ちてきたのでコートを無償で配った。それでもコロナ前には改善していない。教育委員長は「どうしたらよいか、回答が見つかっていない」とため息混じりに話す。