LGBTQ+の大学生保護強化へ
バイデン政権、タイトルIX活用
バイデン政権は19日、教育改正法第9編(タイトルIX)を活用し、性的差別やセクハラの苦情に対する大学の迅速な対処を義務付ける意向であることを明らかにした。
具体的には、トランプ前政権下で導入された被害者や被疑者に対する聞き取りや反対尋問の義務を撤廃。連邦政府の補助金を受けている大学のキャンパスで、差別やハラスメントの標的となったLGBTQ+(性的少数者)や妊娠中の学生の保護を強化する。米教育省のキャサリーン・ラモン次官補は「性的差別の一掃を目指す」としており、この新しい規制を8月1日から導入する考えだ。
タイトルIXの強化はバイデン大統領の選挙公約。被害者保護を訴える活動家は早期の実施を求めてきた。その1人、エマ・グラソー・レバイン氏は新しい規制を評価しつつ、「各大学に早期の導入を求める」と話している。
ただし、共和党の多数はバイデン政権のこうした動きを批判。例えば、バージニア・フォックス連邦下院議員(ノースカロライナ州選出)は「性とジェンダーを過激に再定義する」として反対する主張を強めている。この秋の大統領選で、もしトランプ前大統領が勝つようなことがあれば、今回の規制が覆される可能性がある。性的少数者の学生は米国の「文化戦争」の最前線に立たされている。(19 日、USAトゥデー)