リセ・ケネディ日本人学校

 

リセ・ケネディ日本人学校

 

リセ・ケネディ日本人学校のプログラムは、平日の全日課程と、週末の土曜課程によって構成されている。

ニューヨーク市保健局の監督のもとに運営する全日課程は、3歳児と4・5歳児の二クラスに分かれ、一クラス10人程度の小規模な編成で、目の行き届いた保育を実施している。文部科学省幼稚園教育指導要領に基づき母国語での指導を行い、日本語の基礎を確立させる。生活や遊びなど直接的・具体的な体験を通して人と関わる力、思いやりの心、思考力、表現力を育んでいる。

全日課程では昨年、日英バイリンガル・プログラムがスタート(3歳児は日本語のみのプログラムも選択可)。週の半分、英語ネイティブの指導員による保育が受けられ、併設されるフランス人学校の児童たちともふれあえる機会を得られる。

幼児部から高等部まで構成される土曜課程において、幼児部は読み・書きの練習や五感を意識した活動を通して日本語の語彙を増やし、表現力を伸ばす。小学・中学部は文部科学省の指導要領に準拠し、教科書を使った指導を行い、「聞く・話す・読む・書く」の基本的な日本語の力を伸ばすため、作文、音読、書写、読書、漢字などの学習を継続的、系統的に取り組んでいる。

全日課程と同様、土曜課程でも、日本の文化や伝統を実際の体験を通じて感じてもらう行事を催している。新年を祝う正月のもちつき、節分、端午の節句、桃の節句、そして夏まつりに秋まつりと、季節の流れに沿う日本の伝統行事に親しむことができる。

 

打楽器の演奏に親しむ全日制の児童たち。
土曜課程では授業の成果を発表する機会を設けている。

 

保護者の声

 

コール阿部 真理

 

ハンター大学で初級日本語を教えていた時から、バイリンガルに子どもを育てることはどういうことかと考えていましたが、実際に親になってみて言語は道具にすぎないと悟りました。道具自体はただあるだけでは意味を成しません。私たちは言語を通して文化を知る。文化と言語は密接した関係にあり、言語を学ぶことはその文化を学ぶことにつながります。

自国の文化を学び自分を知った上で、他者との違いを認識でき、受容を学べると思います。生活習慣も言語も違う、様々な人達とふれあう地で育つ子ども達にとって、これは大切な美徳ではないでしょうか。

愚息たちはリセ・ケネディ日本語学校に、幼稚部の頃からお世話になってきました。母親一人が日本語を話し続けても、家庭での言語習得には限界があります。その意味において、学校という組織で日本語を学べる価値は計り知れません。

リセ・ケネディはまた日本語習得だけでなく、実体験を通して文化を学ぶ機会を多く提供してくれる場所でもあります。私は講師として、節分集会やひな祭りに茶道教室を実施し、茶の心を伝える機会をいただいています。茶道には、和敬清寂という4つの大切な事があり、お友達と仲良く、お友達を大切にする、と分かり易い言葉で伝えるよう努めています。

己を知り、他を受容すること。自分で喜びを見つけ、人生を楽しむこと。これらを学ぶために、海外での日本語教育はなくてはならないもの、と私は信じます。

リセ・ケネディ日本人学校
Tel 212-681-7929
225 E. 43rd St, New York, NY 10017
https://jp.lyceumkennedy.org/

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