ホームレス保護に向け、動き活性化
地下鉄での殺害事件から1年
地下鉄車内で大声を出し続けていた黒人ホームレス、ジョーダン・ニーリーさんが男に首を絞められ死亡した事件から1年が経過した。これを機に、ホームレスの支援に当たる人たちは、ホームレスを標的にした犯罪をヘイトクライム(憎悪犯罪)とするための法案制定に向け、動きを活性化し始めている。
ホームレス保護法案は、ホームレスをニューヨークにおける保護階級と位置付けた上で、異なる人種や民族、宗教グループと同様の地位を与えることを掲げている。同時に、ホームレスに対する犯罪を州のヘイトクライム年次報告書に含めることを義務付けることも盛り込んだ。
同法案は州議会で、10年以上にわたり審議が停滞していた。ところが、ニーリーさんの事件から1年を迎えたのに加え、ニーリーさんを殺した罪で起訴された元海兵隊員ダニエル・ペニー被告を巡る裁判が間近に迫っており、支援者たちは動きを再開させた。加えて、アダムズ市長が、駅への警察の増員やホームレス支援活動の拡大など、地下鉄の安全性に改めて重点を置いていることも、法案審議に向けた動向に拍車をかけている。ペニー被告は昨年5月1日、ニーリーさんを床に押さえつけ、背後から首を絞め上げる「チョークホールド」で殺害したとされる。(4月29日、ゴッサミスト)