5月4日【気になったニュース】
大学キャンパス反戦デモは、アメリカ社会の縮図?
皆さん、一週間お疲れさまでした。来週土曜日は、いよいよJapan Paradeですね。昨年の「Naruto」に続き、今年は「⻤滅の刃」が登場ということで、ここでも日本のプレゼンスにしめるアニメ・パワーの大きさを感じますね。(地政学リスクが高まっている現状を受けると、来年あたりはいよいよ「Super Saiyan」 (ドラゴンボール)の登場でしょうか。。。 Son Gokuなら、言葉の問題もないですし、地球内はもとより、宇宙でも“最強”ですからね。
それにしても、やはり今週はと言えば、“大学キャンパスにおける反戦デモ”でしょうか。大学が卒業式の準備などで授業が少なくなった4月18日以降に、反戦デモは拡がりはじめ、今週に入って、警察が学内からデモ参加者を強制排除する動きを強め、逮捕者は少なくとも25州の大学40校以上で計2千人を超えている状況です。
WSJがそのあたりがうまくまとめていますが、今回のコロンビア大やUCLA大での反戦デモにあたっては、数十年にわたる豊富なデモ経験をもつ平和的団体だけでなく、海外政府から活動を禁止されている団体も含めて、幅広い団体とコンタクトしているだけでなく、生徒たち自身のBlack Lives Matterや学生労働運動などでの経験も活用されているとあります。また実際にそれらが、今回の学内キャンプを通じた抗議活動においても、活動参加への準備や、テント購入のためのファンドレイジング、警察と対峙した際の非暴力的緊張緩和訓練の受講などにもつながっているとのことです。また、これらの学生運動と呼応する形で、全米規模の団体が、全米の大学デモ状況に応じて、適切な統一スローガンをだすなど、学内だけでなく、全米規模で組織化されており、最近の労働組合活動を思い起こさせるほどに、今回の学生反戦デモも洗練されているように感じます。(実際に、コロンビア大で4月30日に起きたデモ隊による校舎の一時占拠では、逮捕者300人近くのうち半数は大学と無関係だったとの報道もありますし。)
一方で、高い学費を払って通っているデモ不参加の学生は、デモによる学生生活の支障に対して、大きな不満が溜まってきているようです。今年大学卒業を迎える学生たちは、卒業式を含めて、コロナが高校時代に大きな影響を与えた世代なので、卒業式中止への不満・懸念も高まっているようです。
このようななか、大学も、総長を中心に執行部に対する圧力がましていますし、卒業式を間近に控えて、警察によるデモ・キャンプの強制撤去や参加者の停学処分などの厳しい措置を通じて、早期収束を図ろうとしたのが、今週であったかと思います。
政治的にも、11月に大統領選を控えるバイデン大統領にとっては、双方を満足させるのは極めて難しく、また若者の支持を失っている状況を考えても、早期収束が望ましいと思いますし、実際に大学の厳しい措置を支持しています。ただし、紛争当事者自身が紛争長期化に対するインセンティブがあり、学校、全米さらには世界規模で(かつ組織化された)紛争関係者が、国内政治に影響を及ぼそうと考えていることを考えると、早期収束は難しく、非常に頭の痛い問題だと思います(特に、自分で引き起こしたわけでもなく、直接的な介入をできるわけでもないので)。特に、このあたりは、覇権国および移民の国としてのアメリカの特徴が出ていると思います。
とはいうものの、今日は週末。かつ日本はゴールデンウイークということで、まずはしっかりとリフレッシュできればと思います。「今年のNY、記録的な暑い夏へ」(毎年、記録的な暑い夏のような気もしますが。。。)という記事もありましたし、夏がはじまる6月20日までの貴重な“心地よい温かさ”を満喫してください。ではよい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
今週の1枚
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