市内の学校に洗濯機の設置を
臭いを気にして、欠席する子どもたち
ニューヨーク市に押し寄せた移民の影響で、ホームレスの児童・生徒数が過去最高を記録する中、市内の学校に洗濯機を設置すべきだとする声が強まっている。統計によれば、昨年、ニューヨーク市の児童・生徒の約36%が、慢性的な欠席者に該当した。背景には、衣服を洗濯できる環境にない子どもたちは、周囲に与える臭いを気にするあまり、登校したがらないという深刻な事情がある。
市教育局によれば、2022年11月現在、市内の全公立学校のうち、119校に洗濯機と乾燥機が設置されている。市議の一人は、この問題を喚起するために活動を続けている。シェルターで暮らす児童・生徒が通うものの、ランドリー設備がない学校30校以上に対し、追加で支援するよう求めている。
小学校校長の経験があるジョセフ・マティナ氏は、10年以上前、制服を着用しないまま登校する児童たちの存在に気付いた。そこで、初めて洗濯機がないがゆえに、制服の着用がかなわないことを認識したという。多くの学校にとって、ランドリー設備の設置に向け、障壁となるのはスペースと資金だ。洗濯機を設置するために、学校内の電気・水道設備をアップグレードするためには、5万~10万ドルの費用がかかるとの算出がなされている。(21日、チョークビート)