トランプ氏、サウスブロンクスで集会
「歓迎しない」と反対派住民も集結
トランプ前大統領が23日午後、サウスブロンクスのクロトナパークで数千人の支持者を集めて集会を催した。24日、CBSニュースが伝えた。
全米を対象とした世論調査で黒人やラテン系米国人の支持が増えているトランプ氏。演説では、住民の懸念事項とされる経済、犯罪、移民問題に焦点を当てた。「黒人やヒスパニック系の住民が最も被害を被っている。職を失い、家を失い、失うことのできるもの全てを失った」と指摘。「我々の街を再び安全にする。学校を再び成功させる。津々浦々のコミュニティーに繁栄を取り戻す。税金を減らす。企業や富裕層をニューヨークに呼び戻す」と訴えた。
会場の外には「ブロンクスはトランプを歓迎しない」などのプラカードを持った反対派住民も集まった。その1人、シャノン・レッシントンさんは「大統領としてブロンクスに全くプラスにならなかった」とコメント。ブロンクスのバネッサ・ギブソン区長も「トランプは反移民、反自由選択、反労働者。ブロンクス区民とは相容れない」との声明を発表。地元選出のリッチー・トレス連邦下院議員は「トランプの政治生命を断つ。我々がこの長年の懸案の引導を渡す」と主張。「お前はクビだ」と結んだ。
ニューヨーク市は民主党の牙城。前回の大統領選では、バイデン大統領が68ポイントの大差で勝利した。ただ、2016年と20年を比較すると、市内でもトランプ支持が増えているのも事実。サウスブロンクスでの増加が最も大きいとする分析もある。
トランプ氏がニューヨーク市内で選挙活動を行ったのは今回が初めてではない。不倫口止め料疑惑の裁判の合間を縫って、先月、アッパーマンハッタンにあるボデガを訪問した。このボデガは、殺人容疑で逮捕された従業員が、後に自己防衛が認められて釈放されたという事件の発生現場だ。さらに先週はミッドタウンの建設現場に足を運び、働く人々と握手をしたり、写真撮影の求めに応じたりしていた。