NY州、憲法と人権デー制定へ 日系人差別の歴史から広がり

 

NY州、憲法と人権デー制定へ
日系人差別の歴史から広がり


メイヤー議員(左)と古本夫妻(右)(ニューヨーク州議会提供)

 

ニューヨーク州議会上院はこのほど、人権運動家、故フレッド・コレマツ氏の誕生日である1月30日を「市民の自由と憲法のフレッド・コレマツ・デー」に制定する法案を可決した。コレマツ氏は第2次世界大戦中、「敵国人」として強制収容所に移動させられた日系人の人権を回復するために、生涯戦い続けた。制定に奔走した日系人の古本武司氏らが22日、同州上院に招待された。今後、下院での可決が期待される。

古本氏とキャロリン夫人は、ニュージャージー州とフォートリー区で「コレマツ・デー」制定に孤軍奮闘。ニューヨーク州ではニューヨーク市がすでに制定しており、州レベルでの採用に向けて古本夫妻が働きかけていた。

古本氏は、上院での可決に際し、デイリーサンにこう語った。

「今年は大統領選挙がある重要な年だけに、私たちは人権と憲法を守り続けることを大切に思うべきだ。当時の大統領が署名して戦時中に日系人に起きた苦境が2度と起きてはならない」

さらに、「次のゴールは、バイデン大統領ホワイトハウスと協力し、大統領令としてコレマツ・デーの全米レベルでの制定を実現することです」と決意を語った。

法案をスポンサーしたシェリー・メイヤー州議員は「日系人史のレガシーを次の世代に伝えるために苦労された古本夫妻とニューヨーク日系人会の佐藤貢司会長に感謝する」と述べた。

コレマツ氏は真珠湾攻撃後、日系人であるというだけで逮捕され、強制収容所に送られた。戦後、日系人を抑留あるいは収容した合法性について「人種・宗教・肌の色に関係なく、同じアメリカ人があのような扱いを二度と受けないようにしてほしい」と法廷で争った。

米政府は1988年、戦時中の収容に対し謝罪し、存命していた日系人に1人2万ドルの賠償金を支払った。

 

左からグレイス・リー下院議員、メイヤー議員、古本夫妻、佐藤会長(ニューヨーク州議会提供)

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