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共同通信
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【ソウル共同】旧日本軍の従軍慰安婦だった韓国人女性の息子で、日本政府に損害賠償を求める訴訟を韓国で起こした金栄萬さん(67)が31日までに共同通信の取材に応じ、1990年代に母が被害を告白した時から「私の人生の幸せも終わった」と訴えた。日本政府に元慰安婦や遺族と直接向き合うよう求めた。
韓国の裁判所で日本政府を相手取った慰安婦訴訟は、計2件の集団訴訟で日本敗訴が確定。金さんはこれとは別に今年1月、単独で中部の清州地裁に提訴した。日本政府はいずれの訴訟にも出廷せず、賠償に応じていない。
金さんによると、母の故吉甲順さんは17歳の頃、日本の慰安所へ送られたと話していた。慰安婦問題が韓国で表面化した1990年代に、慰安婦だったことを家族に告白。被害を思い起こした吉さんや、金さんの妻は黙り込むようになり「円満だった家庭の幸せは終わった」。吉さんは98年に73歳で亡くなった。
日韓両政府は2015年の合意で、元慰安婦を支援する韓国の財団に日本政府が10億円を拠出し「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。