6月2日【気になったニュース】110年の間のNY日系コミュニティの進化と今後は?

 

6月2日【気になったニュース】

110年の間のNY日系コミュニティの

進化と今後は?

 

皆さん、一週間お疲れさまでした。 今週月曜がMemorial Dayだったということで、いよいよ夏ですね。 今日も快晴で、BBQなどを楽しまれている方々も多いのではないでしょうか。子供たちの学校も残り一ヵ月をきり、夏休みの過ごし方といった話題も増えてきましたね。こちらの人は、8月終りまでの2ヵ月をNY以外で過ごす人が多いので、なんかその直前のイベントや食事なども増えてきているように思います。(といっても、9月に戻ってくると、次はThanksgiving~Christmas Seasonが視界に入ってきますもんね。一年は、早いですねえ。しっかりと楽しまないと。。。)

そんななか、月曜ははじめてNYの日本人墓地に行ってきました。日本人墓地は、1912年にNY最初の日本人医師である高見豊彦医師を中心とするメンバーが、高峰譲吉氏の援助なども得て、購入したということでしたが、その歴史もまだ高々110年あまりということが非常に感慨深かったです。また、その際の挨拶で、「当時経営に行き詰っていた豊田佐吉氏が、NYで高峰譲吉氏と会い、その際の高峰譲吉氏の“今後は車の時代”という言葉が、豊田佐吉氏を動かし、今日のトヨタに繋がった」という話がありましたが、その挨拶を、NYCが見える高台の日本人墓地から、数多くの日本車(特に、トヨタ)が走る様子を眺めながら、お聞きするというのも非常に感慨深いものがありました。ちなみに、「タカヂアスターゼ」の発明で有名な高峰譲吉氏は、製薬会社である第一三共の前身である三共株式会社の初代社長ですし、その第一三共は、現在がん治療に極めて有効であるとされる新たな技術(ADC)で非常に注目されており、時価総額日本最大の製薬会社として、NJで事業を積極的に拡大しています。その点、100年経っても、NYと日本の深い結びつきも思うものがありますね。(ちなみに、三共のそのまた前身である三共商会では、T型フォードも発売していたそうですが。)

昨今の円安のなかで、日本からこちらに来られる方々が減っているという寂しい話もよく聞きますが、そもそも東京オリンピックの1964年までは海外旅行も制限がありましたし、“自由化”されてからも、しばらくは一人年一回、外貨持ち出しも$500までという期間がありましたもんね。しかも為替は、360円/$。150円台の円安水準と言うのも、1990年以来ということで、たかだか一世代前の状況ですもんね。(“Is the glass half empty or half full?”) 日本人墓地を作られた時代や高度成長期の“距離感”や苦労と比べると、よっぽど今のほうが恵まれているように思います。先達たちに恥ずかしくないように、後世に、よりよいコミュニティを築いていきたいですね。

日本人墓地は、非常に気持ちのいい場所にあり、NYCからも近いところにありますので、アメリカで墓地に行く機会がない方も(基本、勝手に車で入って、墓地の前まで行けますし。)一度訪れてみられてはいかがでしょうか。では引き続きよい週末をお過ごしください。

代表 武田 秀俊


今週の1枚

【今週の一枚】金曜日のJAA Scholarship Dinnerでの一コマ。
次の高見豊彦氏、高峰譲吉氏育成へ。

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