イスラエル前国防相が政権離脱

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共同通信
メディア対応するイスラエルのガンツ前国防相=9日(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】イスラエルのガンツ前国防相は9日記者会見し、戦時内閣から離脱すると表明した。「ネタニヤフ首相は(イスラエルが)真の勝利に向かうのを妨げている」と述べ早期の総選挙実施を要求した。イスラエル軍とイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザで戦闘を続ける中、ネタニヤフ政権には大きな打撃となる。

 ガザ中部ヌセイラトでイスラエル軍が8日に実施した人質4人の奪還作戦は、9日のガザ保健当局の発表によると、住民ら274人が死亡した。民間人を巻き込んだ甚大な被害に国際社会からは非難の声も上がる。

 ガンツ氏率いる中道政党「国家団結党」の離脱で政権では対パレスチナ強硬派の極右政党の影響力が強まることになる。極右政党は停戦案合意に反対しており、戦闘終結を求める米政権との関係も悪化しそうだ。

 ネタニヤフ氏は「今は戦いを放棄する時ではない」と離脱を思いとどまるよう求めた。

 両氏はガザを巡る戦略で激しく対立。ガンツ氏はネタニヤフ氏に戦闘終結後のガザの統治計画を8日までに示すよう要求したが、ネタニヤフ氏は応じなかった。