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共同通信
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2011年6月、千葉県で当時19歳の長女を殺害された岩手県北上市の会社員菊池憲光さん(64)が10日、盛岡市で開かれた犯罪被害者支援に関する会合で講演した。11日で娘の死から13年。菊池さんは「娘を失った悲しみは今も変わらない。他人ごとにならず、被害者に優しく寄り添う体制を構築していかなければならない」と訴えた。
長女果奈さんは、千葉県市川市の自宅に侵入した当時24歳の男に殺害された。男はその後、強盗殺人罪などで無期懲役判決が確定した。
菊池さんは講演で、幼い頃から明るく、バレエの稽古にも弱音を吐かなかった果奈さんとの思い出を涙ながらに語った。
事件後、被害者である果奈さんへの誹謗中傷をインターネットで見かけ、家族が苦しんだ経験を紹介。千葉県警の警察官などに支えられ、被害者支援の必要性を感じたといい「私と同じような経験をした人たちの力になりたい」と語った。
岩手県は今年4月、菊池さんらの訴えを踏まえ、犯罪被害者支援に特化した条例を施行した。県によると、犯罪被害者支援を盛り込んだ条例の制定は、全国の都道府県で最も遅いという。