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共同通信
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粉飾した決算報告書を示し、三菱UFJ銀行から融資金5億円を詐取したとして、詐欺容疑で警視庁に逮捕されたベアリング(軸受け)販売代理店「堀正工業」(東京、破産手続き中)の元社長堀雅晴容疑者(69)ら3人が、同様の手口で他にも多数の金融機関から融資金をだまし取り、総額が約300億円に上るとみられることが19日、関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課は、堀容疑者らが融資を申請する際、他行からの借り入れ状況などについて、金融機関ごとに内容が異なる虚偽の決算報告書を見せ、信用させていたとみて調べる。
捜査2課によると、同社は昨年7月の破綻時、地方銀行など46の金融機関から融資を受け、計250億円を超える負債があった。
融資金の詐取は、堀容疑者が社長に就任した2003年から繰り返していたとみられる。だまし取った金は他行の借入金返済のほか、関連会社の運転資金や遊興費、高級輸入車の購入費などに充てていたという。
他に逮捕されたのは元同社総務部長の大熊重康容疑者(73)と税理士の山口賢一容疑者(74)。