バス発着口のPABT周辺、治安が悪化
薬物中毒者が嫌がらせ
ニュージャージー州などと結ぶバスの発着口、「ポート・オーソリティ・バスターミナル」(PABT)周辺の治安が悪化している。薬物中毒者が、観光客に嫌がらせや金銭要求をするほか、けんかも頻発。ペン・ステーションに向かう8番街沿いには、10ブロックにわたって、麻薬用の注射針交換所やホームレス・シェルターなどが集積しているためだ。
「彼らがナイフや銃を持っているかどうかは分からないが、私の店には極端にハイでひどく精神に異常をきたしていると思われる人々が定期的に押し掛ける。金を要求し、観光客に嫌がらせをしている」。近隣の商店オーナーは困惑を隠せない。通行人や住民からは「市のサービスのために多くの税金を払っているので、もっと積極的に介入し、必要な人々に支援を提供するような役割を担うべきだ」との声が出ている。
一帯は「絶望の通り」と化しており、ニューヨーク市全体でも麻薬検挙件数の多い地区の一つになっているという。市警(NYPD)の最新統計によると、9番街からレキシントン街までを管轄するミッドタウン南警察署は、ハーレムやサウスブロンクスに匹敵するほど、市内で最も麻薬の検挙件数が多い。同署管内の2平方マイルでは、今年に入ってから少なくとも420件を超える麻薬関連の逮捕者がいて、昨年の同時期に比べ約100件増加している。(17日、ニューヨークポスト)