
ニューヨーク市教育局(DOE)は24日、障がいのある生徒や移民などが英語を学ぶESLプログラムで学ぶ生徒への教育を充実させるため、専門部局(Division of Inclusive and Accessible Learning)を新設すると発表した。同日、チョーク・ビートが伝えた。
この部局の予算は7億5000万ドルで、スタッフ数は1300人。DOEは特別支援教育長だったクリスチャーナ・フォティ氏を副局長に昇格させて責任者に任命した。保護者、生徒、教育関係者、活動家で構成する諮問委員会がアドバイスを行う。アダムズ市長はブロンクスで記者会見に臨み、「優秀な生徒にチャンスが与えられていないという批判に応えた」と発言した。
DOEは2018年、特別支援教育と多言語教育を担当する副局長のポジションを廃止。Division of teaching and learning下に置いたが、今年3月、この部局を解体している。一方、市内の公立校の生徒の約21%が障がいを持ち、約14%が英語を第二外国語として学んでおり、多くの生徒に個別教育計画(IEP)が組まれている。
ところが、障がいを持つ生徒は受けるべきセラピーや教育を十分受けておらず、私立校や外部サービスを利用。市の負担は年間10億ドルを超える。過去2年に市内に流入した越境者の子どもたちも3万8000人。多くはシェルターに住み、ESLだけでなく、食事や服といった基本的なニーズも十分に満たされていない。
教育関連の活動家は、今回の部局新設とフォティ氏の昇格を一応評価。障がいのある生徒が通うディストリクト75の学校に子どもを通わせている活動家、ポーレッタ・ハーレイ氏は「フォティ氏はこれまでも優れた手腕を発揮してきた。障がいのある生徒を抱える保護者には強い味方」とコメント。特別支援教育政策に詳しい「Advocates for Children」のマギー・モロフ氏は「市の動きは正しい方向にある」と指摘。「IEP下にある生徒がニューヨーク市公立校で成功するよう、見守っていく」と続けた。
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