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共同通信
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旧優生保護法下で不妊手術を強いたのは憲法違反だとして、障害のある人らが国に損害賠償を求めた5訴訟の判決で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は3日、旧法は違憲とし、国の賠償責任を認める初の統一判断を示した。不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用しなかった。最高裁による法令の違憲判断は13例目。
「不良な子孫の出生を防止する」との目的で1948年に制定された同法により、理不尽な手術を強いられた被害者の救済に道筋が付いた。最高裁の統一判断で、後続訴訟は今回の枠組みに沿って判断されることになる。
大法廷は旧法が「意思に反して身体への侵襲を受けない自由」を保障した憲法13条、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると指摘。96年に障害者差別に当たる条文が削除されるまで「国は政策として障害のある人を差別し、重大な犠牲を求めてきた」とし、除斥期間の経過を理由に国が賠償責任を免れることは「著しく正義・公平に反し、到底容認できない」と述べた。