コロンビア大、学部長3人を
解任・無期限休職処分
テキストで、反ユダヤ主義的表現に言及
コロンビア大学は8日、テキストメッセージの中で「古い反ユダヤ主義的表現に言及したのは不適切」として学部長3人を解任し無期限休職に処すと発表した。同日、ウォールストリート・ジャーナルが報じた。
この3人は、コロンビア・カレッジの最高管理責任者で副学部長のスーザン・チャン=キム氏ら事務担当の幹部職員。5月に開催された「キャンパス内のユダヤ人生活:過去、現在そして将来」というシンポジウムの中で、不適切なテキストメッセージを送付したという。このシンポジウムでは、イスラエルとハマスの紛争開始以降のキャンパス内の雰囲気や全ての学生の安全を守る大学の責任などについて議論が交わされた。
ネマト・シャフィク学長は「故意か過失かを問わず、メッセージの伝えるところは容認できず、深い動揺を誘う」と指摘。「我々のユダヤ人コミュニティーの懸念や経験を軽んじる発言」と批判した。大学は具体的なテキストの内容を発表していない。
ただ、保守系のニュースサイト「ワシントン・フリー・ビーコン」がユダヤ人の富やユダヤ人学生の特権に関するものであることを最初に報道して、問題が表面化。連邦下院の教育と職場に関する委員会がテキストの一部を公開した。聖書の詩篇を引用した「『わざわいなるかな』とは聞き難い」都をするメッセージが含まれていた。
バージニア・フォックス委員長(共和党、ノースカロライナ州選出)は「ユダヤ人学生の受けているハラスメントや脅威を『特権』として無視するのは認められない」とコメント。コロンビア大学内でも今月、関係した学部長3人の処分をシャフィク学長や理事会に求める公開書簡に1200人以上が署名していた。シャフィク氏はこの秋、反ユダヤ主義や差別撤廃に関するトレーニングを開始する考えだ。