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共同通信
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福井県鯖江市のデイサービス(通所介護)施設「まんまる」は、パチンコやクレーンゲームなどの機器を、介護の一環として取り入れている。通所に楽しみを感じてもらうことで、高齢者のひきこもりや認知症の予防につなげるのが狙い。運営会社の代表取締役前田竜二(まえだ・りゅうじ)さん(27)は「福井の高齢者を元気にしたい」と意気込む。(共同通信=山田祐太)
2023年4月に開業したまんまるは定員10人と小規模だが、施設内にパチンコ機器やマージャン卓のほか、卓球台も設置。「こんなにそろっているのは、北陸初かな」と前田さんは話す。
食事や入浴、体操のほかに、これらを利用できる趣味活動の時間をつくり、手や体を動かしてもらいながら気分転換を図っている。
介護福祉士と作業療法士の資格を持ち、かつて福井市内の業界大手施設で働いていた前田さん。当時、利用者の多くは女性で、数少ない男性は他の人と交流せず、孤立している姿が目立った。
男性にも通いやすい環境を整えようと考える中、ある利用者との雑談で「昔はパチンコやマージャンをよくしていたよ」と耳にし、「これだ」と直感した。2023年に辞職してまんまるを開業し、「アミューズメントデイサービス」と銘打った。
パチンコ機器などは毎日使用されているわけではない。それでも、前田さんは「家を出るきっかけの一つになれば十分」と語る。
利用者のうち半数が男性だ。70代男性は「週に3回通っている。居心地がいい」とにこやかな表情を見せた。