デング熱、トライステートで200症例
昨年の5倍、予防が肝心
米疾病対策センター(CDC)によると、 全米でデング熱の患者が増えており、 ニューヨーク州などトライステート地域でもすでに約200症例が 報告されている。 ニューヨーク州は全米でフロリダ州に次いで症例が多い。11日、 ABC7ニューヨークが報じた。
デング熱は蚊が媒介するウイルス性の感染病。 中南米などの熱帯地域で多く発生する。CDCは6月、 デング熱の発症例が世界的に急増していると警告。 全米でも今年これまでに2559件の症例が報告され、昨年同時期 の5倍だ。ニューヨーク州では143件、ニュージャージー州では 41件、コネチカット州では6件となっている。
「患者は旅行者」と指摘するのは、 ストーニーブルック病院の感染病専門医、シャロン・ ノーチマン氏。「バケーション先で感染し、 帰宅して発症している」と続ける。ただ、気候温暖化の影響で、 デング熱を媒介する蚊が北上してくる可能性がある。今のところ、 トライステートではそうした蚊は発見されていない。
症状としては痛みを伴う高熱、吐き気や嘔吐、発疹など。通常、 蚊に刺された後、2週間以内に発症し、症状が2〜7日継続する。 こうした症状が現れた場合は、医者に相談することが大切。 多くの場合1週間程度で症状が引くが、 重篤な状態に陥る場合や死に至る場合もある。
ハッケンサック・メリディアン・ ジャージーショア大学病院の感染病医師、エドワード・ リュー氏は「多くのウイルス性感染病と同様、特効薬はない。 水分補給などの対処療法が用いられる」と話す。そして「 プエルトリコやフロリダ州キーズなど熱帯地域に出かける際には要 注意」と警告する。
CDCは蚊に刺されないようにすることが最も大切だと説明。 長袖シャツや長ズボンなどを着用し肌の露出を極力避ける、 網戸や蚊帳、 虫除けスプレーを活用するなどの予防策を心がけるよう呼びかけて いる。