米国でも少子化、子ども持たない女性増加
子育て費用懸念、キャリア優先で
米国で、少子化が問題となっている。テキサス大学の人口学者の分析によると、35~44歳の平均出生数減少の大部分は、1人の女性が生む子どもの数の減少よりも、子どもを全く生まない女性の増加に原因があるという。同年齢層のすべての人種、所得水準、雇用形態、地域、学歴層で、子どもを生まない女性が増えている。
歴史を通じて、子どもを持つことは大人になる主な目標として広く受け入れられてきた。しかしピュー・リサーチ・センターが昨年、18歳から34歳を対象に行った調査では「いつか親になりたい」と答えたのは、半数強にとどまった。2021年の別の調査では、18歳から49歳の子供のいない成人の44%が、子供を持つ可能性は「低い」又は「全くない」と答え、18年の37%から上昇していた。
家庭を持つには経済的、感情的、社会的に理想的な状態にある必要があると感じる人が増え、いまや子供を持つことはオプションのようだ。子供を持たない理由として、①個人的または職業的な野心を優先②子育てにかかる費用への懸念③自分の人生を謳歌するため―などが挙げられる。
ただ、人口動態調査のデータによれば、子どもを持たない40歳以上の米国人女性の数は2018年まで減少していたが、その後再び増加に転じた。この傾向は、持続が予想されている。(20日、ウォールストリートジャーナル)