5ドルのセットメニュー、熾烈な戦い
ファーストフード業界、インフレ下の客離れで
ファーストフード業界が安価なセットメニューで熾烈な戦いを展開している。1日のウォールストリート・ジャーナルが伝えた。
マクドナルドは最近「バリュー・ミール」を導入。ダブルバーガーまたはチキンサンドイッチにフレンチフライ(小)、チキンナゲット(4個)、ソフトドリンクで5ドルだ。バーガーキングは「ユア・ウェー・ミール」、ウェンデーズも「ビギー・バッグ」という5ドルのセットメニューを提供している。タコベルには3種類のタコスとソフトドリンクを組み合わせた「ディスカバリー・ボックス」がある。こちらも5ドルだ。
一方、スターバックスは「ペアリング・メニュー」で勝負。コーヒー(トールサイズ)とクロワッサンのペアが5ドル、コーヒー(トールサイズ)とブレックファースト・サンドイッチのペアが6ドルだ。デニーズのケリー・バレデCEOは「客の状況に合わせる必要がある」と指摘し、パンケーキやチーズバーガーのセットメニューを5.99ドルで一日中提供している。
過去3年、ファーストフード業界は価格を引き上げてきた。例えばマクドナルドのビッグマックは現在5.29ドル。2019年よりも21%も高い。マックナゲット(10個入り)は9.19ドルと28%高だ。総じて、外食の価格は今年5月、コロナ前よりも30%も上がり、スーパーの商品の価格上昇を上回る。インフレ下、消費者は財布のひもを締め、客足は今年6月までで前年同時期を3.3%下回る。
セットメニューの評判は上々。大人1000人を対象としたオンライン調査で3分の1がマクドナルドのバリュー・ミールを試したいと回答している。さらに、各チェーンは携帯アプリを通じてクーポンや特別価格商品を提供。あの手この手で客離れ対策を実施している。