7月27日【気になったニュース】
pass the torch.
皆さん、一週間おつかれさまでした。 今週もいろんなことがありましたね。
水曜日には、バイデン大統領による大統領選挙戦撤退スピーチがあり、 “I have decided the best way forward is to pass the torch to a new generation”と撤退理由を述べました。自身の引き際というのは、常に難しいものだと思いますが、権力を持っている人の引き際というのは、さらに難しいものだと思います。なかなかいろいろと考える機会となりました。
ちなみに、現職大統領が再選を目指さなかったのは、ジョンソン大統領(民主党; 1963-1969年)以来、約半世紀ぶりのことだそうです。ジョンソン大統領は、ケネディ大統領暗殺(1963年)により副大統領から自動的に就任し、1年後の1964年の大統領選では、歴史的圧勝を果たしたものの、ベトナム戦争の混迷、公民権運動の激化、民主党内の支持減少を受け、大統領選挙8カ月前(1968年3月)に行われたテレビ演説で、ベトナム戦争縮小への大幅な政策転換を発表するとともに、大統領選への不出馬を突然発表しました。
その当時も、景気は非常によかったにも関わらず、ベトナム戦争という大きな外交課題があったこと、公民権運動の高まりなどで国内が分断状況にあったこと、健康懸念(これは後に表面化)など、現在との類似点が多くあり、このあたりは今回のバイデン大統領のスピーチでも、参考にしたように思います。(ちなみに、ジョンソン大統領は、公民権法成立、メディケアやメディケイド制定、移民法改正、排ガス規制など今日にも相当の影響を与えています)
また、当時の場合、副大統領を後継者に指名したものの、その後継者が、結果として大統領選挙で、共和党ニクソン大統領に僅差で敗れているので、そのことに教訓を得て、あえてハリス副大統領に焦点をあてるのではなく、全体としての“世代交代”という点に焦点をあてたようにも感じました。
ところで、“トーチを渡す”と言えば、金曜から、パリ・オリンピックがいよいよ始まりましたね。今回は、アーティスティック・スイミング米国のフィールド恵美さんを取材する機会がありました。恵美さんは、お母さんが日本人と言うことで、小学5年生までは補習校に通っておられました。その後、非常に練習が厳しいアーティスティック・スイミング・クラブに入るために、LAに移られましたが、やはりその練習の厳しさのために、アジア系のお子さんが多いそうです。実際に、今回の米国代表にも同じクラブの同年齢のアジア系2名も選ばれており、やはり似たような文化、家庭環境を持つ(厳しいクラブを続けるのは、母親のコミットメントが非常に重要。特に、送り迎えが必要なアメリカでは。)仲間がいたのもよかったのでしょうね。
今回のアメリカ代表には、恵美さんのように、本人もしくは両親が外国生まれのアスリートが7%もいるとのことで、そんな代表国以外にルーツを持った選手たちの活躍や成長過程にポイントをあてて、オリンピックを見てみるのもおもしろいのはないでしょうか。
では引き続きよい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
今週の1枚
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