国内の死刑執行なし、異例2年超

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共同通信
法務省

 国内での最後の死刑執行から26日で2年となった。自民党の政権復帰後は、基本的に数カ月~半年に1回のペースでの執行が続いていた中、異例の長さの空白期間といえる。慎重姿勢の背景には、執行を巡る失言による法相の辞職や、死刑が確定していた袴田巌さん(88)の再審開始が影響したとの見方がある。

 直近の執行は2022年7月26日にあった。秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大死刑囚が対象で、当時の古川禎久法相が命じた。

 後任の葉梨康弘法相が22年11月、「法相は死刑(執行)のはんこを押す。ニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職だ」などと失言。数日後に更迭された。

 23年3月には袴田さんの再審開始が確定。10月に始まった再審公判は無罪の公算が大きい。死刑制度への関心が高まるため、執行に踏み出すのは容易ではないとみられる。

 法務省によると、6月末時点で刑事施設に収容中の確定死刑囚は108人。刑事訴訟法は判決確定から6カ月以内の執行を定めるが、14~23年は確定から執行まで平均約9年だった。