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共同通信
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独特の甘みとうまみで「枝豆の王様」と呼ばれる山形県鶴岡市特産の「だだちゃ豆」が、7月の記録的大雨で深刻な打撃を受けている。市によると、枝豆畑全体の6割を超える約330ヘクタール(8月5日時点)が浸水などの被害に遭い、一部は夏が収穫の最盛期なだけに、農家や販売関係者から悲痛な声が上がっている。
「カビが生えたり斑点が出たりして出荷できなくなった。本当にショックだ」。同市の農家小池貴士さん(37)の畑は、近くの用水路からあふれた水で5ヘクタールのうち60アールが水没。「収穫間際だったのに」
産地直売所では、例年ぎっしり並ぶはずの商品棚が空になっていた。JA鶴岡の鈴木大亮課長(48)は「一番の書き入れ時に大打撃だ」と頭を抱える。入荷の落ち込みで販売量は例年の半分以下に。購入できずがっかりして帰る客もいた。
市によると、市内の枝豆畑約520ヘクタールのうち9割以上が鶴岡地域に集中している。今年のだだちゃ豆の生産量は減少が見込まれ、担当者は「畑の消毒費用の補助など農家支援に努めたい」と話した。