目立つドラッグストアの空き店舗
マンハッタンが圧倒、賃貸契約がネック
コロナ禍で大打撃を受けたニューヨーク市内のドラッグストア。立ち直った店舗もある一方、閉鎖されたままで空き店舗の状態となっているのも少なくない。アナリストらによれば、複雑な賃貸契約や広大なスペースがネックとなって、少なくとも向こう数年間は現状が続く可能性があるという。
ニューヨークタイムズ(6日付)が伝えたところによれば、市内の複数の商業地区において、100万平方フィート以上の面積を誇る店舗が埃をかぶったままになっている。こうした店舗は近隣商店にとって目障りな上、違法行為を誘引する恐れもあり、商業活動の障害になっている。ビジネス団体や議員からは、クラフトビールの醸造所などに転用することを望む声が出ている。
2020年第1四半期以後、市内では222に上るドラッグストアが閉店。今年7月時点で、138店舗が空き店舗となったままだ。空き店舗は、8千~1万5千平方フィートと大型が目立つ。とりわけマンハッタン区では64の空き店舗があり、クイーンズ区の29、ブルックリン区の27を圧倒し、大きな問題となっている。不動産ブローカーによれば、近年閉店した薬局のほとんどは10~20年のリース契約を結んでおり、その賃料は現在の相場を上回っていることが多いという。