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共同通信
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補聴器に親しみを持ってもらおうと、山形市の販売店が補聴器の形をモチーフにしたブローチを配布している。3色あり、呼び名は「芋煮ブラウン」「さくらんぼレッド」「樹氷ホワイト」。郷土愛もにじみ、好評だ。(共同通信=島田海)
「補聴器本舗やまがた」の庄司渉代表(55)が考案した。接客時、「周りから見えないようにして」といったマイナスイメージの反応が多かったからだ。日本補聴器工業会の調査(2022年)によると、難聴を感じる人のうち、実際に所有しているのは15%。50%を超える国もある中、低調と言える。
庄司さんは「性能は年々向上している。早期の着用で効果が実感できると知ってほしい」と主張。着用へのハードルを下げるために考えたのが、ブローチだ。
「ハチドリに似てかわいらしい」と感じる補聴器と同じ形状にこだわり、アクセサリー作家に依頼して作製した。長さ約3センチ、レジン製で、中にはドライフラワーが入っている。
「地元・山形のにぎやかな場面をイメージした」という3色と、ネーミングにもこだわった。大勢の人が集まる場面でも当たり前に着用できる「自分をアップデートするもの」として、理解が広がってほしいからだ。
業界団体が「補聴器の日」とする6月6日から、相談に来てくれた客に無料配布している。「こんなおしゃれな補聴器があればいいのに」。受け取ってくれた人の反応が励みになっている。8月に「鳥海アイスブルー」「月山新緑グリーン」の2色も追加した。