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共同通信
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岸田文雄首相は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表という初めての事態に直面し、初動対応に苦慮した。国民への呼びかけの方針が定まらず、防災の司令塔となる官邸や内閣府の情報発信の在り方には課題を残した。専門家は国民に説明する意識が欠けていたと指摘する。
「地震への備えの再確認と地震が発生したらすぐに避難できる準備をしてほしい」。注意情報が発表された8日夜、首相は官邸で国民に訴えた。一方、詳細については「官房長官や気象庁の発表内容を確認してほしい」と述べるにとどめた。
政府筋は「取材を受けた時点で首相には南海トラフ地震との関連について詳しい報告が上がっていなかった」と明かす。1週間以内に再び大規模地震が起きる可能性は「数百回に1回程度」とされる。首相周辺は「お盆休みの時期と重なり、経済への影響も考慮する必要があった」と説明する。
首相は9日夕、官邸に関係省庁幹部らを集め対応を協議。首相は「普段通り過ごすべきか、強い危機感を持つべきかがはっきりしない」と、いら立ちをあらわにしたという。